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企業研究者に向いている人の特徴TOP5【現役メーカー研究職が解説】

研究という仕事に興味はあるんだけど、どういう人が向いているのかな?

本記事では、このような疑問にお答えします。

食品メーカーで研究職として働くアルファです。ツイッターやっています。お問い合わせはこちらから。

本記事の内容は、企業研究を〇〇年経験してきた私アルファが、特に優秀だと感じる社員の特徴を独自視点でまとめています。

目次

研究が好き

研究が好きな人は研究職に向いています。当然です。好きなことを仕事にできるのであれば、向いているに決まっていますよね。

ただし注意が必要です。

過去の私のように、「研究が好き」と「実験が好き」を混同している方が結構います。

一般的な研究フロー

  1. 文献調査
  2. 研究テーマ選定
  3. 研究計画策定
  4. 仮説構築・実験
  5. 考察
  6. 論文や特許、学会での発表

これからわかるように、実験は研究の過程の一つに過ぎません。「研究が好き」と「実験が好き」には大きな違いがありますね。

食品メーカーで面接官の経験をお持ちのPonさんも、「研究好き」と「実験好き」の違いを話されています。

実験を行うだけなら、その分野の実務に長けた派遣社員さんや委託業者に依頼することが一般的です。実験が好きなだけの人は社員としては求められていないことがわかります。

実験だけではなく、研究テーマを作るところから社外発表まで一貫して楽しめる人が企業研究者に向いていますね。

成果にこだわる

企業研究者ならば、成果にこだわる姿勢はとても重要です。

成果って具体的にどんなものがあるの?

私が考える成果はこの2つです。

  1. 自ら立てた目標の達成
  2. 会社の利益への貢献

詳しく見ていきましょう。まず、1. 自ら立てた目標の達成です。

営業職の方は売り上げの向上、開発職の方は担当製品の上市など、会社から指示された業務がほとんどです。

一方で研究職はというと、多くの場合は自ら研究テーマを立てて、自ら研究プロセスを組んでいくことになります。

これが研究職の大きな特徴の一つです。つまり、「この仕事の成果は何か」「それに向かってどんな工夫をするのか」を自分で決められるということです。

仕事の裁量が大きい反面、「まあ、これくらいでいいや」と思ってしまえば、手を抜きやすい環境であることも事実です。

だからこそ、自ら立てた目標は何が何でも達成するというマインドが重要ですね。

具体例を挙げると、以下のような目標を立てて仕事をしています。

参考

  • 研究成果を特許出願し権利化する
  • 研究成果を〇〇という学術誌に投稿
  • 〇〇という製品に搭載する基礎技術の確立

次に、2. 会社の利益への貢献です。

自ら立てる目標は何でも良いわけではありません。企業に所属している以上、研究者であっても会社への貢献は求められます。

実はこの所属会社への貢献が、企業研究者が忘れがちなことだと考えています。

特許出願し権利化しても会社の利益にはなりません。有名な学術誌にアクセプトされても、それだけでは会社の売り上げは向上しません。製品に搭載する基礎技術を確立しても、製品が顧客ニーズを拾っていなければ売れることはありません。

このように、自ら立てた目標を達成した時に、「で、結局どんないいことがあるの?」とならないように、会社利益への貢献という視点を持ち合わせることも重要ですね。

行動力がある

成果にこだわるためには、行動することが大切です。

研究計画を綿密に立てても、思考実験を繰り返しても、企業としての成果には繋がらないからです。

  • 特許/文献調査を行う
  • 顧客へヒアリングに行く
  • 実験をする

これらを光のごとくやってのける人がいます。即行動してなんぼです。

興味の幅が広い

興味の幅が広い研究者は企業向きです。

なぜなら、同じ研究テーマを一生涯続けていくことはほぼ不可能だからです。

修士卒の方で、「3年もこの分野で研究したんだから、これが自分の専門分野だ」と言う人もいます。

もちろん専門分野を極めることも大切ですが、たった3年の経験にこだわり、興味の幅を狭めるのはもったいない。どうしても一つの研究分野を極めたいなら、企業ではなくアカデミアにいるべきです。

さらに、研究職以外へのジョブチェンジも避けることができません。開発や研究企画への異動は頻繁にあり、なかにはマーケティングへ異動した方も知っています。

研究は価値を作り、可視化する手段の一つにしか過ぎません。研究をこういった視点で捉えている方は、企業研究者に向いています。

コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力が高い人は企業研究者に向いています。

研究者は実験室に閉じこもっているから、コミュ力なんて必要ないでしょ?と思っているのなら、それは大間違い。私も企業に入ってから実感しましたが、企業研究者のコミュ力は総じて高いです。

企業での研究は、一企業で閉じていることはほとんどなく、他企業や大学と共同研究を行うことが多いためです。特に大手の企業で多いのですが、オープンイノベーション戦略をとっていることがあります。

オープンイノベーション: open innovation, OI)とは、自社だけでなく他社や大学地方自治体社会起業家など異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービス、ノウハウ、データ、知識などを組み合わせ、革新的なビジネスモデル、研究成果、製品開発、サービス開発、組織改革、行政改革、地域活性化、ソーシャルイノベーション等につなげるイノベーションの方法論である。

出典:Wikipedia

この資料は年間の共同研究件数を大学別に示したグラフで、上位10大学でも1万件を超える共同研究が行われてます。

出展:大学ファクトブック 2019

私も入社数年で、京都大学へ共同研究員として派遣されていました。そこでは教授や学生、他企業の社員を巻きこんで研究プロジェクトを進めるのですが、知識バックグラウンドや企業文化が異なると、それだけでもう大変です。

また、学会での何気ない会話から共同研究に結びつく関係性が生まれることもあります。

他組織の人や初対面の研究者にも、臆せずコミュニケーションを取れる人は企業研究者に向いていると言えます。

まとめ

企業研究者に向いている人の特徴を5つご紹介しました。

「研究職向いているかも!」と思ったあなた、ぜひ一緒に企業で研究してみましょう。

私自身、修士を卒業する時点で博士課程に進学するか企業へ出るか相当悩んでおり、その経緯はこちらの記事にまとめてあります。参考にしてみてください。

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