本記事では、このような疑問にお答えします。特にメーカーの研究職を志望されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
面接を経験したことのない就活生にとっては、どんな質問をされるのか気になりますよね。
実際、私も就活の初期の頃は研究職特有の質問に的確に答えられず、やきもきしたことがありました。
そこで、本記事では研究職に絞って就活した私の経験をもとに、研究職の面接でよく聞かれる質問を回答例とともに解説していきます。
目次
研究をする上で意識していることは?
研究職を志望している就活生は、筆頭著者の論文を持っていたり、海外学会で口頭発表していたり、特許を出願していたりと輝かしい成果を持っているものだと思っていませんか?
実は、修士卒の就活生でこのような成果を残している人はほんの一握りにすぎません。研究を始めてたった3年で、全員がこのような成果を出せるわけがないですよね。
これは企業側もよく理解していて、研究職の就活であっても研究成果だけに重点を置いている企業は実はあまり多くないんです。
では、どこで評価しているのでしょうか。
それが研究に対する姿勢やプロセスなんです。
もちろん、このような成果をお持ちの方はしっかりアピールしてくださいね。博士卒の就活では成果も求められるので注意が必要です。
そこで「研究をする上で意識していることは?」という質問が頻繁になされます。
意識していることとセットで、その結果どんな良いことがあったのかを伝えられると良いですね。
回答例
教授とのディスカッションに注力しました。結果を伝えるだけではなく、常に自分の考察を加えて議論することを意識しています。効率よく研究を進められることに加え、自らの力で研究を進める面白さを実感することができています。
このテーマに対するあなたの貢献度は?
と言いたいところですが、修士の学生ではそれは難しいはずです。
ここで必要なのは成果のアピールではなく、貢献度を可視化です。
企業における研究でも全てを一人で行うことはありません。研究方針の決定はチームで行い、実験は派遣さんにお願いし、時には大学の研究室と共同研究を行うこともあります。そこで、あなたはどのように貢献したのかを可視化することが求められているのです。
研究職の面接では、このような働き方をする研究職として適しているか、内定を出しても良いのかが評価されています。
回答例
研究テーマは指導教官と相談して決定しました。評価系は論文を参考に構築し、実験データは私が取得しています。考察やその後の研究プランは必ず私から提案するように心がけていましたが、教授からのアドバイスをもとに修正することもありました。
この研究はどのようなビジネスに繋がるの?
基礎研究を行ってきた理系学生には馴染みのない質問ですね。私も、「とあるイベントにおける遺伝子の発現制御メカニズムの解明」とかなり基礎よりの研究を行なっていましたので、初めてこの質問をされた時は戸惑いました。
皆さんが就職を志望される多くは営利企業であり、企業での研究がどんなに基礎的なものであっても、その先には社会への価値提供や利益の創出という目的があります。
「基礎研究者だからビジネスは関係ない」というのは通用しないということですね。
このような観点から、学生が行なっている研究もどのような価値を提供できるか、ビジネスになるのかという視点で質問されることが多くあります。
この質問の回答として、「新しい治療法を開発できる」「コストカットできる」などでは具体性が低すぎます。具体性を上げるためにこんなポイントで考えてみてください。
- どんな社会課題があるのか
- 困っている人はどれくらいいるのか
- 現状の方法で解決できていない理由は何か
- そこにどんな技術課題があるのか
- この研究が形になったら世の中がどう変わるのか
一方で、実現性の高さという観点では評価はされないと考えています。ビジネスコンテストではないですからね。
回答例
〇〇という疾患を抱えた患者は世界に〇〇万人いると報告されています。対症療法はいくつか知られていますが、根治することがないのがこの疾患の特徴です。この疾患に関連する遺伝子発現の制御メカニズムが解明できれば、新たな治療法を開発する一助になると考えられます。
なぜ博士課程に進学しないの?
特に研究成果を出している就活生がよく聞かれます。「なぜそれだけの成果を出していて、博士課程に進まずに企業に来るの?」といった具合です。
企業側としても優秀な学生は欲しいのですが、「やっぱり博士課程に進学するので内定を取り消してください」という状況を回避したいという意図もあります。
企業に所属しながら論文博士や社会人博士課程などの選択肢もありますので、そのような形で博士号取得を目指すと回答するのもありですね。
回答例
目標としていた論文投稿・海外学会での発表を達成したため、大学で同じ研究を続けるのではなく、次のステージとして企業での研究を行いたいと考えたためです。
入社後はどんな研究をしたい?
- 御社で〇〇に取り組みたいです! と明確な希望があることを宣言する
- なんでもできます! と興味の幅が広いことをアピールする
研究職に限らず、どちらで答えるのが良いか迷いますよね。研究職以外の職種であれば、どちらもメリットデメリットがあると思われますが、研究職の場合は圧倒的に1.が良いと考えます。
研究は、課題を自ら作り出すことも仕事のひとつです。つまり、なんでもできますというアピールは研究という職種では通用しないと考えるのが無難です。
とはいえ、取り組みたい研究はなんでも良いわけではないですよね。
志望企業の研究領域や製品への応用の可能性、経営の長期ビジョンと合致している必要があります。「それうちでできないよ」と言われないように、しっかり企業研究をしてから面接に臨みましょう。
回答例
現在の研究で培った知見や技術をもとに、〇〇という健康食品の研究に携わりたいと考えています。御社の〇〇という長期ビジョンに合致すると考えていますので、ぜひ取り組ませてください。
まとめ
研究職の面接でよく聞かれる質問を5つに絞り、お伝えしました。
- 研究をする上で意識していることは?
- このテーマに対するあなたの貢献度は?
- この研究はどのようなビジネスに繋がるの?
- なぜ博士課程に進学しないの?
- 入社後はどんな研究をしたい?
自分なら「こんな内容で答えるかな」とイメージできたでしょうか。どの企業の面接でも、5つの質問のうち1つは必ず聞かれると思っていて間違いありません。
回答例も参考にして、面接に臨むまでに自分なりの回答を用意してみてください。
ご質問などは、お問い合わせまたはTwitter DMまでお願いします。