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研究職志望ならおさえておきたい工場立地【食品メーカー編】

配属ガチャとは、入社時(特に新卒入社)の配属先が希望とは異なり、会社の意向で決められてしまうことを指す。配属される側からすると、辞令が出るまで配属先がわからない状況が、ソーシャルゲームの「ガチャ」のように感じることから生まれた言葉だ。
希望の部署に配属されたり、上司や教育担当に恵まれた場合は「アタリ」、希望してない部署に配属されたり、評判の悪い上司や教育担当に当たってしまえば「ハズレ」といったように、入社後の自分の運命が、ガチャのように偶然によって決まってしまうことに対する皮肉も込められた表現となっている。

東洋経済 新入社員を苦しめる「配属ガチャ」発生の背景

食品業界の場合、研究職という枠で採用している企業はそう多くありません。
多くが研究開発職や技術職(研究開発生産一括採用)として募集し、内定後に適性を判断され、それぞれの職種に振り分ける採用方式を取っています。

食品メーカーで研究職に就きたいと思っても、実は内定後に配属ガチャという壁を乗り越えなければいけないということはあるあるなのです。

研究職を志望される方も、初期配属は工場になる可能性も踏まえ、頭の片隅には工場の立地を入れておきたいところ。

そこで、本記事では主要な食品メーカーの工場立地をまとめてみることにしました。

研究所の立地はこちらにまとめてあります。

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目次

明治

さすがは乳業会社。北海道に多くの工場を持っています。
乳関連の製品からチョコレートなどの嗜好品、冷凍食品や医薬品まで幅広く生産しています。

就職四季報で2019年の技術系の配属先をみると、工場が立地している各道府県に満遍なく配属されていることがわかります。

味の素

明治と同じく味の素の生産品も多岐に渡ります。

川崎、四日市、佐賀の3工場ではアミノ酸、化粧品原料、甘味料、医薬品の製造を行なっているようです。
一方、食品の製造は味の素食品株式会社という100%子会社が担っているようですね。

就職四季報によると、2020年の採用では技術系全員が神奈川の研究所もしくは工場のようでした。

サントリーホールディングス

清涼飲料水、ビール、ウイスキー、ワインなど計22拠点で生産しています。

北海道、東北には工場がないのが意外でした。
特に製品の輸送コストがかかる飲料メーカーは、工場を日本各地におき、店頭までの輸送距離を削減するのがセオリーだと考えていました。
水も現地調達できますしね。

東北、北海道のサントリー製品は北関東の工場で作られたものなのでしょうか。

キリンホールディングス

ビールが7工場、清涼飲料水が2工場、ワインが4工場あるようです。

特にビール工場は北海道から福岡まで満遍なく配置されていますね。
なかでも滋賀工場はビールも清涼飲料水も生産していることから配属者数が例年多いようです。

アサヒビール

アサヒビールはサントリーやキリンと異なり、アサヒビールやアサヒ飲料、アサヒグループ食品などの事業会社別に採用を行なっています。

アサヒビールで採用された方は、ほぼ確実にアサヒビールの事業所での勤務になると思われますが、将来的にはグループ会社内での出向も考えられますね。
アサヒビールはキリンよりも多い8工場体制ですが、全国満遍なく位置しているのは変わりません。

サッポロビール

ビール8工場とワイナリー2箇所があります。
サッポロビールの主力は北海道なので、恵庭の工場の規模が最も大きいのでしょうか。

他のビールメーカーと同じく全国に点在しているので、異動のハードルは高いかもしれませんね。

カゴメ

本社がある愛知県に3工場、長野と栃木、茨城に1工場あります。
カゴメの主力商品であるトマトケチャップやソース、野菜ジュースの他にも乳酸菌飲料をメインで生産している工場もあるようです。

キッコーマン

キッコーマンには醤油をはじめ各種調味料、飲料、ワインなどの商品がありますが、それらの製造はキッコーマン株式会社ではなく子会社が行なっているようです。
採用も会社ごとに行なっているとのことでした。
また、就職四季報をみる限りキッコーマン株式会社で採用された方の工場配属はなさそうです。

ここでは看板商品の醤油を生産する工場立地を示します。本社がある千葉県野田市と兵庫県高砂市で生産しているようですね。

キューピー

マヨネーズやドレッシングなどの調味料から、医薬品や化粧品原料まで生産しています。
所在地も青森から福岡まで広く点在しています。

ミツカングループ

酢と納豆を主力製品とするミツカン。
北関東、岐阜、関西に工場がありますが、技術系のほとんどが本社や研究所のある愛知県配属のようです。

ヤクルト本社

主力の飲料や食品に加え、化粧品や医薬品も生産しています。
2019年は各工場に1~3人ずつ配属されています。

先日、フィリピンに工場を新設したとニュースリリースされていましたので、若手社員でも海外赴任の可能性がありますね。

日清食品

さすが日清食品。研究所の外観も独特ですが、工場も特徴的です。

日清食品の工場は国内に4拠点ですが(関西工場と滋賀工場は隣接)、海外展開も積極的でアジアを中心に製造拠点を多く持っています。

ハウス食品

技術職のうちほとんどが研究開発を行なっており、生産職は技術系新入社員の1割ほどのようです。
工場は4拠点で栃木、静岡、奈良、福岡にあります。

ロッテ

4拠点のうち2拠点が埼玉県にあり、また中央研究所も埼玉のため、初期配属は埼玉県になる可能性が高いですね。

森永製菓

栃木、神奈川、静岡、愛知の4拠点の他に100%子会社の高崎森永株式会社が保有する高崎工場にも配属があるようです。
2021年4月には高崎森永の第三工場が稼働し始めるようで、人員の拡充が予想されます。

江崎グリコ

江崎グリコは自社に製造施設を持っておらず、全て子会社のグリコマニュファクチャリングジャパン株式会社に委託しています。
この委託企業の工場は国内14工場にもなり、就職四季報をみる限り、一部の工場への配属もあるようです。

また、食品原料や機能性素材などの製造を行うグリコ栄養食品株式会社も子会社として保有しており、名古屋と浜松に工場と持っているとのことです。

グリコの生産拠点は多岐にわたるため、上記のURLから工場立地を確認してみてください。

森永乳業

工場数は多く、11拠点にもなります。
乳業メーカーとしては北海道の拠点数は少なく2拠点ですが、別海と佐呂間ですのでアクセスは良くなさそう。

食品メーカーには珍しく東京23区内に工場があります。

アサヒ飲料

自社の7工場に加え、アサヒビール茨城工場でも三ツ矢サイダーや十六茶を製造しています。
アサヒビールやアサヒグループ食品などのアサヒグループ傘下での人材交流もありそうですね。

雪印メグミルク

雪印メグミルクの工場は16拠点とかなり多いのが特徴です。
乳業メーカーらしく北海道に多く、約半数が位置していますね。

2020年の配属をみると北海道の各工場に1人以上、最も多い天塩には6人の配属があるので、技術系新入社員はかなりの確率で北海道勤務となりそうです。

まとめ

食品メーカーの工場立地をまとめてきました。
研究所は関東圏に多いようでしたが、工場となると全国各地に立地しています。

研究所-工場、工場-工場の異動も大いにあり得るため、志望する企業の事業所についてはぜひ頭に入れておいてください。

冒頭にも記載しましたが、食品業界の場合、研究職という枠で採用している企業は少なく、多くは開発職も含めた研究開発職または生産職まで含めた技術職として募集しています。
しかし、選考の過程で本人の希望や適性を見られ、入社前には配属がある程度わかっていることが多いようです。

研究を志望する場合は、志望理由を根拠を持って明確に伝えられるようにしっかり準備しておきましょう。

本記事が皆さんの企業選びの参考になれば幸いです。

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