特に入社1年目でよく聞く声です。
就活をしているときは、仕事のやりがいや会社の規模などに注目が集まりがちですが、個人的にとても大切だと思うのが勤務地。
見知らぬ土地で知り合いが誰もおらず、会社という初めての環境に...となると想定以上にしんどい。
こちらの就活白書2020には早期転職者の離職理由が掲載されており、第五位には勤務地への不満がランクインしています。
そこで本記事では、私が所属する食品業界に焦点をあて、研究職の方が初期に配属されるであろう研究所の所在地をまとめました。
食品企業の数は膨大なので、就職四季報をもとに食品業界の就職人気企業20社ほどに絞りお伝えします。
目次
明治
R-1で有名な明治の研究開発。
やはり乳酸菌研究には力を入れていて、6000種類以上の乳酸菌ライブラリーを保有しているとのこと。
そんな明治の研究機能は東京都八王子の明治イノベーションセンターに集約されているようです。
ここには乳酸菌研究所をはじめ、技術研究所、商品開発研究所、品質科学研究所、その他研究戦略統括部や知財戦略部もあり、まさに一体となって研究を進めています。
明治イノベーションセンター(東京都八王子市七国一丁目29番1号)
味の素
食品業界において味の素以上に研究開発に力を入れているところはないのでは?
1700人以上の体制で研究開発を行なっている食品企業は味の素の他に聞いたことがありません。
食品だけではなく、アミノ酸の技術をベースに医薬品や化粧品、電子材料まで幅広い研究開発が進んでいます。
そんな味の素の研究機能は神奈川県川崎市に集約されています。
食品研究所とバイオファイン研究所の2研究所体制のようです。
ちなみに鈴木町という名前は、味の素の創業者・鈴木三郎助に由来しているとか。
食品研究所・バイオファイン研究所(神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号)
サントリーホールディングス
水のイメージが強いサントリーですが、研究領域が幅広いことでも有名です。
なかでも青い薔薇開発は多くの方がご存知なのではないでしょうか。
その他にもセサミンやケルセチンなどの素材や、最近では糖質0ビールが商品化されていますね。
そんなサントリーの研究機能は京都府精華町と神奈川県川崎市の2拠点です。
精華町のワールドリサーチセンターは2015年に設立された新しい研究棟で、外観が特徴的です。
ただし、都心部からのアクセスは大変そう...。
サントリーワールドリサーチセンター(京都府相楽郡精華町精華台8-1-1)
サントリー商品開発センター(神奈川県川崎市中原区今井上町13-2)
キリンホールディングス
乳酸菌の研究が盛なキリン。免疫機能の機能性表示食品iMuseが上市されています。
グループ会社には製薬の協和キリンもあり、医薬部門とのシナジーも期待できそうです。
そんなキリンの研究機能は神奈川県内の複数拠点に分かれているようです。
元武田薬品工業の研究所である湘南アイパークにも入居しているようですね。
キリン中央研究所(神奈川県横浜市金沢区福浦1-13-5・神奈川県藤沢市村岡東2-26-1)
飲料未来研究所(神奈川県横浜市鶴見区生麦1-17-1・神奈川県藤沢市城南4-9-1)
パッケージイノベーション研究所(神奈川県横浜市鶴見区生麦1-17-1)
アサヒビール
ビールのイメージが強いアサヒビールですが、乳酸菌や乳関連の素材開発にも力を入れています。
カルピスが2012年にアサヒグループの傘下になったことがきっかけでしょうか。
またビールメーカーらしく、ビール酵母由来の栄養補給薬「エビオス錠」が有名ですね。
そんなアサヒビールの研究機能は茨城県守谷市に集約されています。
ここには、酒類開発研究所や酒類技術研究所、パッケージング技術研究所の他にも後述するアサヒ飲料の研究所も一体となっているようです。
茨城県といえど、都心からのアクセスはそこそこ良いのがポイント。
酒類開発研究所・酒類技術研究所・パッケージング技術研究所(茨城県守谷市緑1-1-21)
サッポロビール
サッポロホールディングス傘下には飲料メーカーのポッカサッポロがあるため、ビールだけではなく飲料用途の研究も盛んです。
他のビールメーカーではないのがレモンの研究でしょうか。もちろんビールメーカーらしくホップや大麦の研究も盛んです。
そんなサッポロビールの研究機能は静岡県焼津市の価値創造フロンティア研究所を中心に、群馬や北海道にも位置しています。
価値創造フロンティア研究所(静岡県焼津市岡当目10)
原料育種開発センター(群馬県太田市新田木崎町37-1)
北海道原料研究センター(北海道空知郡上富良野町本町3-5-25)
カゴメ
トマトで有名なカゴメの研究開発。
トマトをはじめとする野菜研究の他にも乳酸菌の研究にも力を入れているようです。多くの企業が乳酸菌に力を入れていますね。
カゴメの研究機能は栃木県那須塩原市にあります。
関東圏とはいえかなり北部ですので、都心部からのアクセスはイマイチかも。
総合研究所(栃木県那須塩原市西富山17)
キッコーマン
しょうゆで有名なキッコーマン。
本社や工場がある千葉県野田市は常に醤油の香りがするとか。
しょうゆ造りに欠かせない麹菌の研究の他にも乳酸菌研究も行なっています。
キッコーマンの研究機能は本社の隣にあり、2019年に竣工した新しい建物のようですね。
キッコーマン中央研究所(千葉県野田市野田338)
キューピー
マヨネーズで有名なキューピー。
関連する卵や野菜の研究はもちろんのこと、マヨネーズの開発で培った乳化技術を医薬や化粧品にも応用しています。
味の素のアミノ酸技術然り、企業の根幹を成す技術を転用する研究には興味があります。
そんなキューピーの研究機能は本社機能とともに東京都調布市(仙川キューポート)にあります。
食創造研究所・技術ソリューション研究所(東京都調布市仙川町2-5-7)
ミツカングループ
食酢をはじめとする調味料メーカーのミツカン。その歴史はとても長く、創業はなんと1804年だそう。
食酢や納豆を中心に健康機能の研究もされているようです。
ミツカンの研究機能は本社とともに愛知県半田市にあります。半田市までは名古屋から電車で40分ほど。
大手の食品メーカーには珍しく、東海地方に研究所があります。
中央研究所(愛知県半田市中村町2-6)
ヤクルト本社
ヤクルトといえば乳酸菌。
乳酸菌研究が盛んな食品業界ですが、最も歴史が長いのがヤクルトなのではないでしょうか。
乳酸菌由来の成分を元に化粧品研究を、乳酸菌の抗がん活性を元に医薬品研究を展開しています。
ヤクルト社の健康のイメージを支えてるのが、この研究所ですね。
そんなヤクルトの研究機能は東京都国立市にあります。
中央研究所内には、基盤研究所や微生物研究所、食品研究所、医薬品研究所、化粧品研究所、安全性研究所、分析試験研究所の7研究所が入っているようです。
2016年に中央研究所が新設されたためとても綺麗。
ヤクルト本社中央研究所(東京都国立市泉5丁目11番地)
日清食品
CMもHPも特徴的な日清食品。もちろん研究所も特徴的です。
2014年に建てられた研究施設「the WAVE」。
インスタントラーメンの麺と切刃をイメージした形状なんだとか。
インスタント麺だけでなく、健康科学の研究も行なっており、乳酸菌や腸内細菌叢の研究も行われています。
そんな日清食品の研究所は東京都八王子市にあります。
東京都内とはいえ、駅から離れており通勤には少し不便!?
グローバルイノベーション研究センター・グローバル食品安全研究所(東京都八王子市戸吹町2100番)
ハウス食品
カレールーで有名なハウス食品。
カレーの主要スパイスであるウコンに着目し、健康機能性の研究が盛んに行われているようです。
ハウス食品の研究機能は千葉県四街道市にあります。
千葉市に近いものの、公共交通機関での通勤は難しいかもしれません。
開発研究所(千葉県四街道市鷹の台1丁目4番)
ロッテ
ガムやチョコなどの総合菓子メーカーのロッテ。
創業者の出身地である韓国にも大規模な研究施設があるようです。
日本の研究所は埼玉県さいたま市にあります。
中央研究所(埼玉県さいたま市南区沼影3-1-1)
森永製菓
主力製品の菓子開発だけではなく、健康機能の研究開発にも力を入れているようです。
特にココア由来の成分の機能研究が盛んで、インフルエンザウイルスの感染抑制効果や整腸作用、歯周病菌の抗菌効果などを発表しています。
そんな森永製菓の研究機能は神奈川県横浜市にあります。
2021年秋頃に研究所が新設されるようですよ。
研究所(神奈川県横浜市鶴見区下末吉2-1-1)
江崎グリコ
グリコといえば、社名の由来となったグリコーゲン。
そしてロゴ上の企業理念は「美味しさと健康」。
この健康を追求するため、糖の研究が盛んに行われています。
また、食品関連の研究だけではなく、グリコーゲンの抗酸化機能を化粧品に応用する研究もされているよう。
江崎グリコの研究機能は大阪市にあります。大阪駅の隣駅が最寄りです。
健康科学研究所(大阪府大阪市西淀川区歌島4丁目6番5号)
森永乳業
乳関連の研究が盛んで、ビフィズス菌やラクトフェリンなどの素材を多く持っています。
特にビフィズス菌研究の歴史は長く、1970年代から始まっていたのだとか。
今ホットな腸内細菌叢の研究も盛んですね。
研究組織としては、食品開発研究所、素材応用研究所、健康栄養科学研究所、基礎研究所、フードソリューション研究所と多くの組織あり、神奈川県座間市に位置しています。
研究・情報センター(神奈川県座間市東原5-1-83)
アサヒ飲料
上述のアサヒビールと同じ施設内(茨城県守谷市)に研究機能を構えています。
商品開発研究所と、生産機能を中心とした技術研究所に分かれているようです。
技術研究所・商品開発研究所(茨城県守谷市緑1-1-21)
雪印メグミルク
3拠点に分かれていますが、研究の中心は埼玉県川越市のミルクサイエンス研究所。
「生きたまま腸に届く」で有名なガセリ菌の研究が盛んです。
内臓脂肪を減少させるトクホの取得で成果をあげており、ヨーグルトとして製品化されていますね。
ミルクサイエンス研究所(埼玉県川越市南台1丁目1−2)
札幌研究所(北海道札幌市東区苗穂町6丁目1−1)
チーズ研究所(山梨県北杜市小淵沢町6897)
まとめ
食品メーカーの研究所所在地を調べてみたところ、関東圏に多いことがわかりました。
メーカー研究所は僻地に多いかと思っていましたが意外でしたね。
就活をしている時は、仕事内容ややりがいに目がいきがちですが、勤務地はQOLに大きな影響を与えますのでこちらも重視したいところ。
本記事がみなさんの企業選びの参考になれば幸いです。
食品メーカーのインターン情報はこちらの記事から。
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