Part1に引き続き、効率的に自己分析を行う方法をお伝えします。
本記事でお伝えするのは私が実際に行なっていた方法で、結果的に医薬品、化粧品、食品業界から研究職の内定を頂くことができています。
自己分析に困っている理系就活生のみなさん、ぜひ本記事を参考に効率的な自己分析にお役立てください。Part1をご覧になっていない方はこちらからどうぞ。
-
【理系就活】内定獲得から逆算する自己分析 ~Part1~
就活には自己分析が大事ってよく聞くけど、自分のことは自分が一番よく知っているから必要ないんじゃない? こんなこと思ったことありませんか? 自分のことは自分がよく知っている、だから何のために自己分析をす ...
続きを見る
目次
自己分析の目的は内定を取ること
とても大事なことなので、もう一度確認しておきましょう。
自己分析の目的は大きく2つに分かれていて、
①これまでの経験に基づいて、今後のキャリアの方向性を見出すための自己分析
②大学での経験に基づいて、第一志望の企業から内定を取るための自己分析
この2つでした。就活で求められるのは間違いなく②です。
そして自己分析を行う過程では、言語化することが重要です。
企業のエントリーシートで自己分析
本記事で一番お伝えしたこと、それは「実際のエントリーシートを用いて自己分析を行いましょう」ということです。
書店にたくさん並ぶ自己分析本の中には、生まれてから現在までの自分をくまなく振り返り、経験や考え、行動の理由など隅々まで洗い出すことを推奨するものがあります。
決して間違ってはないのですが、小学生の時に夢中になったことや中学生での部活での出来事など、就活では優先度が低い質問が混在しているのも事実です。
そこで私がとった行動は、優先度の高い質問に集中できるように実際のエントリーシートを用いた自己分析でした。
...偉そうに言っていますが、就活開始直前まで博士課程進学と迷った結果、一般的な自己分析を行わずにエントリーシートを書き始めただけというのはここだけの話。
ですが、これが結果的に就活を成功させた大きな要因だったので、ぜひこの記事を読んで頂いている皆さんにお伝えしたいと考えました。
気になるところだと思います。私がオススメしたいのは、花王株式会社です。
花王はみなさんご存知の通り、日本を代表する消費財メーカーです。毎年100名以上の研究職を採用し、現在は3100名もの研究者が所属しています。※出展:花王 有価証券報告書
研究職の採用人数が多いことから、理系就職を目指す方が一度は検討する企業ではないでしょうか。
就活で頻出の質問が網羅的問われていること、少ない字数制限から端的に書くことが求められていることがオススメする理由です。
実際にエントリーシートの内容を見ていきましょう。年度によって内容は若干異なりますが、毎年このような質問が設定されています。
- 専門分野、習得したスキルなどを記入ください(200字以内)
- どのように研究に取り組みましたか。そこから得たこと、苦労したことなどをご記入ください(200字以内)
- 学業や研究以外の活動で、学生時代に力を注いだことをご記入ください(200字以内)
- 大学生活を通じて、ご自身が人間的に成長したと思うことについてご記入ください(300字以内)
- ご自身が自覚している性格の強みと弱みについてご記入ください(200字以内)
- 心がけている事柄、自己啓発として取り組んでいる事柄についてご記入ください(200字以内)
- 困難に直面した時、どのように行動されますか(300字以内)
- あなたにとって働くとはどのようなことですか。お考えをご記入ください(600字以内)
- 就職活動に際し、あなたの企業選びのポイントを教えてください(200字以内)
- 花王を志望する理由をご記入ください(400字以内)
- 花王において、ご自身の個性や経験、専門性、習得技術などを通じて、どのような研究者になりたいかご記入ください(300字以内)
- 花王で取り組みたい研究技術開発の内容、または関心のある分野について2つまでご記入ください(各200字以内)
- 入社後のキャリアについて、思い描くことをご記入ください(200字以内)
いかがでしょうか。長すぎだろ!と思いましたよね。大丈夫です。歴代の先輩方も同じように感じています。
他企業と比べて、花王のエントリーシートは重いんですよね。
私が就活していた当時は、この量を手書きしていました...。
設問数が多い+手書きのダブルパンチでエントリーを断念した友人を何人も知っています。
ですが、この設問はとてもよく考えられていて、他企業の面接でも頻繁に聞かれる内容が詰め込まれています。10. 花王の志望理由、12. 花王で取り組みたい研究技術開発 以外はどの企業の就活にも応用できる設問です。
ぜひ花王のエントリーシートに向き合ってみてください。
うまくかけない原因は3つ
いざ書いてみたものの、しっくりこないことや薄っぺらく感じることがあるのではないでしょうか。
実はこの気づきがとても重要です。多くの就活生は就活が進んできてから気づくのですが、それでは取り返しがつかないことになりかねません。就活初期の段階でうまく書けない、うまく伝わらないと気づくことが、エントリーシートを用いて自己分析を行う狙いの一つです。
ではその原因は何でしょうか。3つあると考えています。
お手本がないから
多くの就活生にとって、自己分析をしたりエントリーシートを書いたりするのは初めての経験です。初めてのことをお手本もなく進めるのは無理な話です。
ですので、自身の経験や考えに近いエントリーシートを探してみましょう。
私が実際に使っていたのはUnistyleです。会員登録は必要ですが、過去のエントリーシートを見ることができます。他にも、ONE CAREERや就活ノートなどがありますね。
これだ!と思ったエントリーシートをいくつか集めて、部分的に取り入れてみてください。
自分で書くことは難しくても、他人のエントリーシートの良し悪しは案外わかるものです。
社会人用語を知らないから
自分の文章が薄っぺらく感じる最大の要因はこれです。内容は同じでも使う用語を変えるだけで、与える印象が劇的に変わることがよくあります。
ではどうすれば良いのか。
私は総合商社の社員懇談会への参加を勧めています。総合商社は各地で社員懇談会を何度も開催しており、社員1人に対し学生5名ほどで質問を受け付けてくれています。
よくある会社説明会などの一方的な説明ではなく、学生からの質問をもとに、社会人と話せるとても良い機会です。さらに、総合商社勤めの社員は明確なビジョンを持っていることが多く、話もわかりやすいことが特徴と考えています。
そこで聞いたキーワードやキーフレーズをメモして、自分のエントリーシートに取り入れてみてください。
フィードバックがないから
適切なフィードバックがないことも上達しない要因です。
ただし、フィードバックをもらう人は誰でも良いというわけではありません。
可能であれば、社会人経験があり、なおかつ研究室などの同じ組織に属していない方にお願いすると良いでしょう。
社会人と学生の考え方は異なっており、社会人経験の有無でフィードバックの質が大きく変わってくると考えるためです。また同じ組織に属している場合は、エントリーシートに書かれていない内容も普段の関係性で補完できてしまうため、真に伝わる文章としてフィードバックができるかに疑問が残ります。
私は大学や市のキャリアセンターでフィードバックをもらっていました。ただし、就活シーズンになると非常に混み合うので注意が必要です。
場合によっては有料の添削サービスを使うこともできます。
私もこれまでの自身の経験を活かしてココナラで添削サービスを行なっていますので、ご興味があれば覗いてみてください。ちなみに花王のエントリーシートも通過しています。
研究職志望の就活生のESを添削します 【1設問 2000円】【研究概要A4 5000円】
まとめ
効率的な自己分析の方法として、実際のエントリーシートを用いた方法を解説してきました。そしてうまく書けない原因として、お手本がないこと、社会人用語を知らないこと、フィードバックがないことの3つが考えられることもお伝えしました。
花王のエントリーシートで言語化した自己分析ができれば思考の整理ができるだけではなく、他の企業のエントリーシートも格段に書きやすくなるはずです。
ぜひ本記事を参考に、就活を成功に導いてください。ご質問などは、お問い合わせまたはTwitter DMまでお願いします。